illustrator yoshimi yonezawa
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かわいいグロテスクをどうぞ
アネット・メサジェ展『聖と俗の使者たち』@森美術館

http://www.mori.art.museum/contents/annette/index.htmlml
ずっと大事にしていた手垢まみれのぬいぐるみ、箱にしまった鳥の羽根や貝殻、抜けた乳歯、くしゃくしゃの雑誌のスクラップ、祖母からもらったカメオのブローチ。ハムスターの死体を撫でた時の毛並みの感触。知らない間に死んでしまった猫の腐臭。髪を切った裸のバービー人形。そっとしまい込んでいたそんな風景がフラッシュバックするのです。

作品と題名を見たときに「ああ」「わかる」「これ」という感覚。すとんと腑に落ちる感じ。


屠殺場のようにつり下げられ、乱暴に振り回されぐるぐると回転する、肉体の一部をかたどったぬいぐるみ。男女の目や手や陰部などの身体の一部分の写真に落書きされたおとぎ話のイラスト。セーターを着せられた小鳥の剥製。呼吸のようにふくらんだりしぼんだりするパラシュート性の臓器、生きたまま切り刻まれたかのように肉体のように痙攣したり脈動するふかふかしたつぎはぎの身体部分のぬいぐるみ。解体され貼付けられたぬいぐるみの抜殻。ぬいぐるみと剥製のキメラたち。肉体の破壊と再構築。見てはいけないもの、されどそれはぬいぐるみというおかしみ。残酷でご都合主義の少女性。女の子の中にある凶暴なモンスター。あなたはどうしてあたしに食べられてくれなかったの?そしてあなたはどうしてあたしを食べてくれなかったの?

女性アーティストの表現には生々しいフェミニズムを感じるものが多く苦手なのですが(以前菊地さんが「経血への感覚的な執着を感じる作品に嫌悪感がある」と書かれたことがあって、それすごくよくわかるんですが)絶妙なユーモアとエスプリで独特の可笑しさがありました。

あたしは大きなぬいぐるみがすごくこわい。映画AKIRAで鉄雄に襲いかかる巨大なぬいぐるみがすごくこわい。だいすきなものとこわいものがないまぜになっていて皮膚の下でざわざわ波立つ感情を味わいつつついつい近寄っていってしまう。かわいくてこわいお化け屋敷でした。

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by ynzwysm | 2008-11-03 14:05
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